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共通テスト(数学Ⅰ・A)の傾向と対策 過去最低の平均点からわかったこととは…

センター試験対策の勉強ではもう通用しない!2022共通テストで、過去最低の平均となった数学。その原因を理解して新しいテストの対策をしよう!

2022共通テスト数学

2022共通テストの数学について、まず振り返ります。

「数学ショック」と言われるほどに大きく平均点が下がりました。
( 数学ⅠA 37.96点 数学ⅡB 43.06点 )
問題が難しくなったのでは…?と思う人もいるかもしれませんが、
それだけが原因ではありません。
実際、1つ1つの問題のレベルは、旧センター試験時代とほぼ同じくらいと思います。

ではなぜこんなに平均点が下がった(難化した)のでしょうか…
その原因を理解し、新しい共通テストの対策をしましょう!

共通テスト(数学Ⅱ・B)はこちら

傾向と対策(数学Ⅰ・A)

傾向

前年度から平均点が ー19.72点 と大きく下がった数学ⅠA

昨年と比べて導入部分の文章や誘導部分の分量が減ったものの、
旧センター試験とは比べ物にならないほど問題文が長くなっています。

多くの問題が「誘導式」の問題となり、より思考力、判断力が求められる出題形式となりました。

問題の題材は、日常生活を素材とした問題や、単元をまたぐ融合問題であり、
そして極めて面倒な計算処理なども加わったことが、今回の平均点が下がった原因の1つと考えます。

また、大問の最後の問題を解くための導入がわかりにくくなり、
上位層の生徒でも思ったように点数が伸びなかったことも原因です。

対策(~50点)

まず、基本的な力(典型的な問題を解ける力)が絶対に必要です。

数学が苦手な生徒は、いきなり共通テストのような「誘導式」の問題を
解くのではなく、まずは入試レベルの基礎力をしっかりと身につけるべきです。

数学には定理や公式が多くあります。
この多数ある公式を「どのような場面で、どの公式を使うのか」
これをまず身につけましょう。
そのためには、問題演習を繰り返し行うことが大切です。

教科書の章末問題など、基本的な問題を多く解いて
定理や公式の使い方を理解します。
そして、数学の計算をめんどくさがらずに何回も解きましょう。

教科書レベルの問題を「何も見ずに解ける」ようになれば、
このレベルはクリアです。

何事も基本が一番大切ですよ。

対策(50~80点)

まず、旧センター試験のように、過去問演習だけで乗り切るのは難しいです。
多くの問題は「誘導式」であり、様々な問題を作ることができるからです。

基礎力が身についた後は、「誘導式」問題への対策をします。
まず問題文から、「何を調べるのか」「どのような考え方が必要なのか」
これを見つけてください。

多くは会話や直前の問題文に、ヒント(やるべきこと)が書いてあります。
これを見つけ、あとはその指示の通りに計算をしていけば、
解答は求められるでしょう。

また、数学の公式が導かれる過程やその考え方を理解しましょう。
教科書には必ず公式の導入について書いてあります。
自分で公式を導けるようになれば、その公式の理解はさらに深まります。

ここまで出来るようになれば、共通テストで80点近く取れる力
(多くの国公立大学に合格できる力)が身についています。

対策(80~)

共通テストで80点以上取るには、各大問の最後にある問題を
正解する必要があります。

昨年の共通テストでは、この各大問の最後の問題が非常に解きにくい、
または、計算量がかなり多く時間がかかる問題でした。

共通テストが誘導式となり、誘導に乗って解いていくのですが、
この最後の問題はその誘導が見た目上ありません。
急に難しい問題を出されて、何から取り掛かっていけばわからなくなります。

しかし、実際はその直前部分(誘導に従って解いた部分)と
同じことをすればいいのです。
ただし、数値が変わっているので、1から解きなおしです。
その結果、時間をかなり使ってしまいます。
更に「データの活用」「整数」分野はその計算自体が極めてめんどくさいです…

80点以上を取るには、ある程度の「計算スピード」が大事です。
この最後にある問題をすべて解くには、十分な時間を残しておかなければなりません。
数学Ⅰ・Aは70分になりましたが、昨年のような計算量では
時間内に全問正解するのは極めて難しいと思います。
それでも、満点を目指して、可能な限り素早く正確に計算していきましょう。

共通テストの最大の敵

過去問や模試を受けたことがある生徒は実感してると思いますが、
共通テスト(数学)において最大の敵は…「時間」です。

70分と10分伸びましたが、それでもすべて正解するには時間が足りません。
問題の導入部分や会話文など、問題を解くまでに長い文章を読む必要があり、
さらに誘導式の問題のため、内容を理解する時間も必要です。
そして最後の問題にも多くの時間がかかります…

そこで考えてほしいことは、「数学が何点必要なのか」ということです。
目指すべき大学に合格するために必要な点数を調べ、計画を立てることが必要です。

多くの国公立大学(医学部を除く)を目指す生徒は、80点近く取れれば十分です。
「時間をかけても解けなそう」な問題は思い切って諦めて、
次に進むことをおすすめします。
解ける問題からどんどん解いて、時間が余ったなら、
飛ばした問題を考えればいいのです。
「難しい問題を時間をかけて間違えて、後ろにある解ける問題を解く時間がなくなる」
これが最もやってはいけないことですので、気を付けましょう。

まとめ

共通テスト(数学Ⅰ・A)についてのまとめです。
1、まずしっかりと基礎力養成
2、誘導にしっかり乗る(問題文をよく読み、やるべきことを見極める)
3、時間に限りがあることを意識して、わからない問題はさっさと飛ばす
 (時間が余れば後から考える)

この記事を読んだ皆さんが本番で良い結果が出ることを祈ってます。
受験生の皆さん、頑張れ!!

鹿児島県霧島市で学習塾をお探しの方へ

最後になりますが、この記事を書いているのは
鹿児島県霧島市にある「北辰塾」の塾長です。
現在も私立中・高で現役の数学教師として教壇に立っています。

北辰塾では単なる暗記ではなく、しっかりと「なぜそうなるのか?」ということを
意識して指導を行っています。
興味のある生徒、親御さんは一度、当塾へご連絡してください。
みなさんと一緒に勉強できるのを楽しみにお待ちしています。
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